はちどりstory

一人一人のひとしずくが世界を変える〜私の空き家再生プロジェクト〜

人生を変えた一冊の本との出会い

私が空き家再生で持続可能なまちづくりをやりたいと思ったきっかけは1冊の本との出会いです。
今から14年ほど前、周りに認められることでしか自分の存在価値を感じられなかった時、地球環境や世界の問題に立ち向かっていこうとしました。
でも、ちっぽけな私は何もできずどう生きていいのか迷っていた時に「ハチドリのひとしずく」という本に出会いました。

南米の先住民に伝わるお話で、短いお話なので紹介させていただきます

あるとき森が燃えていました
森の生きものたちはわれ先にと逃げていきました
でもクリキンディという名のハチドリだけはいったりきたり
くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
といって笑います
クリンキディはこう答えました

「私は、私にできることをしているだけ」


「特別な何者かにならなくていい。私は私にできることをやっていこう。それが世界を変えることにつながっていくんだ」

そんなことを教えてもらったように思いました。

この一冊の本が私の人生を大きく変えました。

一人一人のひとしずくが世界を変える

「ハチドリのひとしずく」という本と出会って私の中に「世界を変える」という思いが出てきました。

「一人一人のひとしずくで世界は変わる」という揺るぎない信念を持ちながらも、私はどう世界を変えたいのかわからず、ずっと自分自身に問い続けてきました。


戦争反対を唱えたいわけでもなければ
地球環境を守らなければという強い思いがあるわけでもなく
社会を変えるという強い思いがあるわけでもなく
権力を得て世界を変えていきたいわけでもなく

自分の中にはっきりとした答えがないまま「世界を変えるんだ」という信念を持って進んできました。


「世界を変える」という思いが出てきてから14年。

私にとって「世界を変える」とは、一人一人が自分が望む世界をつくることでした。

私は世界を変えられない。
でも、私が望む世界をつくることはできる。

それが「世界を変える」ということなんだと気がつきました。

私が幸せになること
そして、私の周りの人たちも幸せになること

一人一人がそんな小さな幸せな世界を実現していったら、あっという間に世界中が幸せになると思いました。

私は空き家再生を通して自分が望む世界をつくっていきたいと思っています。

そして、一人一人が自分が望む世界をつくるきっかけとなるような場所をつくっていきたいと思っています。


分断された生き方からつながりのある生き方へ

私の最初の空き家再生ははちどり食堂でした。

2010年9月千葉県九十九里町ではちどり食堂をオープン。
「一人一人の小さなひとしずくが世界を変える」という思いを込めてはちどり食堂にしました。

はちどり食堂を始めたきっかけは「パーマカルチャー」を学んだことでした。
パーマカルチャーとはパーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で永続可能な農業をもとに永続可能な文化、人と自然が共に豊かになるような関係を気づいていくためのデザイン
ということですが、私はパーマカルチャーを学ぶことで分断された生き方ではなく、地球と社会とつながって生きることの大切さを知り、私はまず空き家を活かして人と人がつながっていく場所を作りたいと思いました。

そんな思いをいろんな人に話していたら、この物件を紹介してもらったのです。

海の近くの古民家で、風が気持ちよくて、古民家の心地よさと風の気持ち良さをたくさんの人に感じてもらいたいと思いました。
最初は食堂ではなくシェアハウスとかゲストハウスをやりたいと思っていましたが、間取り的に難しく、それまで食堂を長くやってきたので、食堂をやることにしました。

今まで「自分さえガマンすればいい」と思って生きてきましたが、そんな生き方で大きくつまづき、今度は「自分が一番楽しんで生きていこう」と思ってとにかく楽しんで食堂をやりました。

自由にやりたいことをやればやるほど人が集まってきて、応援され
若者が少なくなった小さな田舎町にたくさんの若い人たちが集まってくるようになりました。
地元の方達にも喜ばれて、とても注目される存在にもなりました。

私ができることで空き家を再生して
私ができることで楽しいことをやっていただけなのに
たくさんの人に喜ばれて、私の輝きがみんなの輝きにもなっていきました。

そして、空き家の活用についてもよく相談されるようになりました。

まだまだ使える空き家が放置されているのが悲しくて、ひとつでも多くの空き家を再生していきたいと思っていましたが思うようにはできませんでした。

やりたいことをやっているのに、やりたいことができていないという矛盾の中で悩むこともたくさんありました。
自分のやり方に限界を感じたと同時に、ここでできることは十分やったという達成感も感じ3年半という短い時間でしたがはちどり食堂を終えることにしました。

すべての人に世界を変える力がある

はちどり食堂でできなかったこと
そして、改めてやりたいと思ったことを滋賀でやっていきたいと思っています。

すべての人に世界を変える力があって
すべての人が自分が望む世界をつくっていけることを伝えていきたいし、応援していきたいと思っています。


世界を変えるのは特別な誰かではなく
一人一人の小さなひとしずくが世界を変えていけるのだと私は思っています。

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