はちどりstory

私の空き家再生物語〜奇跡のはちどり食堂のはじまり その1〜

はちどり食堂のはじまりはワンディシェフ

「やりたくない」の中にあった「やりたいこと」

何気なく行ったワンディシェフレストランで「あなたもやらない?」と声をかけてもらって二つ返事でやることにしました。
きっとワンディシェフとしてはちどり食堂をやっていなかったら、古民家でのはちどり食堂ははじまっていなかったかもしれません。

小さな一歩が大きな一歩になっていったのです。

週に1度ワンディシェフをして、他の日は千葉駅のデパ地下のお惣菜売り場で働いていましたが、ワンディシェフをしばらくやってまた社長に「うちで働かないか?」と声をかけてもらいワンディシェフをやりながら不動産でも働くようになりました。
そこの不動産はちょっと変わっていて、不動産でワンディレストランもやっているし、コンサートや講演会、海の掃除、町の掃除にトイレ掃除、100km歩き大会など地域貢献になる活動をたくさんやっていました。
正直「それはやりたくないな」と思うこともたくさんありましたが、それも含めて楽しい会社でした。

会社では草刈り管理営業部でしたが、とにかく仕事ができない社員でした(笑)
田舎は空き地がたくさんあって、その空き地の草刈り管理の営業なんですが、地域を回って草ぼうぼうの空き地を見つけて持ち主を調べてひたすらお手紙を出す作業を繰り返すのですが、全然やる気が出せませんでした。
でも、地域を回って空き家をチェックするのは好きでした。

「この空き家だったらどう使うかな〜」 とか 「こんな使い方したらおもしろいだろうな〜」 とか色々考えるのがとっても楽しかったです。

九十九里って都心から近くて、海もあって自然もいっぱいでいい町なのに、荒れ果てた土地や空き家がたくさんあってなんとかしたいな〜って思うようになりました。

そのころ、神奈川県藤野のパーマカルチャー塾にも通い始めました。

実は、私に大きな影響を与えた本「ハチドリのひとしずく」の他にパーマカルチャーとの出会いも私の生き方に大きな影響を与えました。

こんな暮らし方があるんだな〜
地球とつながって生きるっていいな〜

って強く思うようになって、空き家を活用して地球にやさしい暮らしを実践しながら人が集まる場所を作っていきたいなって思っていました。

それでとにかく「古い空き家を直してシェアハウスかゲストハウスがやりたい」ってそこらじゅうで言いまくりました。

そんな思いに共感してくれる人たちとどんどん仲良くなっていきました。

そして仲良くなった方の場所をお借りしてはじめて自分でイベントを企画してみました。

「はちどりビアガーデン」

お友達だったり会社の仲間が来てくれてとっても楽しいイベントになりました。

想像を超える出会い

イベントきっかけにますます私の思いに共感してくださる方が増えて応援されるようになっていきました。

仕事をしながら物件探しをしました。
でも、賃貸で私が理想とする物件ってなかなかないのですよね。
売り物件ならたくさんあるんですけど。

そんなこんなで数ヶ月経った頃、私がいつも夢を語っていた会社の友人が

「こんな物件があるよ! 賃貸でも売りでもどっちでもいいって!」

と教えてくれたのがこの物件

築50年を超える古い物件でお庭も立派

場所も私が思っていた以上にいい場所


まさかこんないい場所でこんないい物件が見つかるなんて!! って驚きでした。


私は九十九里町の海の近くで古い物件を探していたのですが、会社の人にも地元の人たちにも「その辺りではなかなかない」って言われていました。
それが九十九里の中心の片貝漁港の近くで海まで徒歩5分という場所
私が住んでいたところからは車で5分くらいの場所です。

築50年を超える古い物件ですが、大家さんが丁寧に管理をされていてほとんど直さなくて住める場所でした。

修繕をするなら自分でということで敷金礼金なしで家賃は5万円。

最高の条件でした。


でも、悩みました。。。。
今住んでいる家も最高に気に入っていて、どっちかが選べないと思いました。

絵にするとこんなですけどね(笑)

家賃は今とほぼ一緒
場所は紹介してくれた物件の方がいいし、何かやるなら断然そっちの方がいい。

悩みに悩みまくって、悩んだままエイっと引っ越すことにしました。

この物件で具体的に何をするのかは決まっていなかったけど、とにかく見えない何かに思いっきり背中を押されました。

すごい悩みましたが、引越しをしてみたら最高でした。

縁側がある家に暮らすのははじめてで
海の近くに暮らすのもはじめてで
縁側も海風も最高に気持ちよくて
築50年を超える家も最高に心地よくて
毎日毎日幸せな気分で暮らすことができました。

しばらくは「何をしようかな〜」と考えながら普通に住んでいました。

ゲストハウスかシェアハウスがやりたかったのですが間取り的にちょっと難しい。。。
でも住んでるだけでも気持ちいいしゆっくり考えていこうと思っていました。

本当に毎日が気持ちよくて、家にいるだけで幸せでした。

風が気持ちいいから会社をクビになって、風が気持ちいいからはちどり食堂が始まった

引越しをした家が最高に心地良くて
そしたら、、、、、、会社に行きたくなくなっちゃったんです。
朝になると会社に行きたくない病で具合が悪くなって遅刻ばかりするようになりました。
会社に行っても全くやる気がなくて、遅刻して早退する日もありました。
そんなことだったり、会社で社長に怒られることが続き
そして、私が超社長を怒らせることがあって

「クビだ! やめろ!!」

と言われてしまいました。

クビと言われたより、クビと言わせてしまったように思いました。

本当はもっとずっと前から会社を辞めたいと思っていました。
自分でイベントをやったり、イベントに参加したりしているうちに自分がやりたいことをやっていきたい気持ちが強くなっていったのです。

実は一度、やりたいことをやっていきたいと会社を辞めていたのです。
でも全く生活が成り立たず、社長に「戻ってこい」と言ってもらって出戻っていたのです。
会社にまた戻らせてもらって生活の不安はなくなったけど、毎日楽しくなくて、やる気がなくて、いい加減な仕事ばかりしていました。
でも生活の不安があるのでまた辞めるなんて言えませんでした。

多分、社長自身は本当はクビにするつもりはなかったようで、「わかりました。辞めます。すみませんでした」と言ったら「本当に辞めるのか? 次の仕事はあるのか?」と心配をしてくれましたが私はようやく吹っ切ることができました。
社長に1ヶ月という猶予をもらって、引き継ぎ、次の仕事探しをしました。

辞めるとなったら、、、、、
とっても元気になり(笑)毎日はりきって会社に行き、仕事もサクサクこなしました。

なんなんでしょうね(笑)

体が正直すぎます。

次の仕事はまた何かバイトでもすればいいかな〜と思っていましたが、縁側でのんびりしていた時

「風が気持ちいいな〜〜この風をもっとたくさんの人にも感じて欲しい。ゲストハウスもシェアハウスもここでは難しいから、、、、、、だったらここではちどり食堂をやろうかな」

ふと思いました。
そして何気なく友人に話してみました。

この時はまだ私は本気ではありませんでした。
そしたらその友人が超ノリノリで

「いいと思う!! 水回りの仕事もできる大工さん知ってるから紹介するよ!」と言ってそれからすぐその大工さんが静岡から千葉まで見積もりに来てくれたのです。

まだやるかどうか決めてないのに、どんどん動き出していきました。

お金はないし、融資も通るかわからないのに周りの人たちがどんどん動いていったのです。

友人の紹介の大工さんはめちゃくちゃいい人で、盛り上がって、それでやることになっちゃったのです。

海の近くの古い物件で人が集まる場所を作りたい!

そう言い続けて2年くらいだったかな。

想像を超える物件が見つかって
何をやるかも決めないままとりあえず引越ししたら住み心地が最高すぎて
毎日この家にいたいと思っていたら会社をクビになり
軽い気持ちで「ここではちどり食堂やろうかな」と友人に行ったらどんどん動き出してあっという間にはちどり食堂が始まっていくことになったのです。

本当はもっとちゃんと準備をしてから始めるつもりでしたが、きっとそれでは一生始まらないのでしょうね。

この物件と出会ってからはいろんなことの流れが早すぎて、正直気持ちが全然追いついていっていませんでした。

でも、とにかくたくさんの人が応援してくれました。

約2年「私はこんなことがやりたいんだ」って言い続けて、行動もしていました。

そんな姿を見てくれていた人たちがたくさんいました。

そして、「やるぞ!」って決めたらたくさんの人が集まってきて手伝ってくれました。


つづく

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